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3.4. HTTPヘッダマネージャ

『HTTPヘッダマネージャ』とは、『HTTPリクエスト』に任意のヘッダを追加・上書きすることができる設定エレメントです。使い方は簡単で、認証マネージャと同じく、設定画面の「追加」ボタンを押すと設定画面中央の表に全てが空欄の一列が表示されるので、ここに適切な値を入力すれば、任意のHTTPヘッダを付け加えることができます。

HTTPヘッダには数多くの種類がありますが、Webアプリケーションの負荷テストでは、User-Agentヘッダがもっとも多く使用されるのではないでしょうか。この値を読み取って、PCからのアクセスなのか、各種の携帯端末からのアクセスなのかを判定して処理を振り分けるWebアプリケーションの場合、この『HTTPヘッダマネージャ』を使用することにより、PCだけでなく携帯用のページの負荷テストも行うことができます。

以下が、User-Agentヘッダを設定して、擬似的にi-modeからの接続してきたように見せた例です。

User-Agentヘッダを設定して、擬似的にi-modeからの接続してきたように見せた例

3.5. HTTPクッキーマネージャ

Webアプリケーションでは、クッキーを使用するものが数多くあります。それらの中には、クッキーを使用していないと、正当なテストができないものがあります。このようなWebアプリケーションのテストには、『HTTPクッキーマネージャ』を使用します。

『HTTPクッキーマネージャ』には、クッキーに関して二つの機能があります。

一つ目の機能は、通常のブラウザと同じように、Webサーバから与えられたクッキーを保存・提供するという機能です。この機能は、『HTTPクッキーマネージャ』を追加するだけで使用することができます。

二つ目の機能は、任意のクッキーをWebサーバに提供するという機能です。この機能を利用する方法は、これまで説明してきた設定エレメントとほぼ同じで、設定画面から「追加」ボタンを押し、設定画面中央の表にクッキーに関する適切な値を入力するというものです。ただし、Apache Jakarta ProjectのJMeterのユーザマニュアルの『HTTPクッキーマネージャ』の項では、この二つ目の機能を利用することについて、「自分が何をしているかわかっていない場合はお勧めしない」と書かれています。ですので、わけもわからず不用意に使用するのはやめましょう。

3.6. その他の設定エレメント

この章では、4種類の設定エレメントについて説明しました。設定エレメントは他にもいろいろありますが、通常のWebアプリケーションの負荷テストでは、ここで説明した4種類の設定エレメントを使用することが多いでしょう。これらの設定エレメントを利用することで各種のWebアプリケーションの負荷テストを行うことができますので、これらの設定エレメントを実際に使用してみてください。

(実習課題1)

User-Agentヘッダの値によって処理を振り分けるWebアプリケーションに対してテストを行いなさい。この際、『HTTPヘッダマネージャ』を使用し、User-Agentヘッダの値をいろいろと変えて結果を見てみること。対象とするWebアプリケーションは、User-Agentヘッダによって処理が変わったことを認識できるようなもの(Servlet 3. サーブレットの基本2 の実習課題3のようなWebアプリケーション)であれば何でもよい。

解答例はこちら

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