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7. JDBCリクエスト

7.1. JDBCリクエストとは

これまでは主に、Webアプリケーションの負荷テストを想定して、各機能について説明してきました。しかし、JMeterではWebアプリケーション以外に、さまざまなアプリケーションに対してテストを行うことができます。この章では、データベースに対してテストを行うことができる、『JDBCリクエスト』について説明します。

7.2. JDBCリクエストの設定

『JDBCリクエスト』をテストに追加する方法は、これまで使用してきた『HTTPリクエスト』と同じです。追加したい場所を選択し、右クリックするか編集メニューから 追加 → サンプラー → JDBCリクエスト を選択すると、『JDBCリクエスト』を追加することができます。

『JDBCリクエスト』の設定画面は、以下のようなものです。これから、それぞれの設定項目について説明していきます。

JDBCリクエストの設定

「データベースURL と JDBC ドライバ」の項目には、JDBCドライバと接続先のデータベースに関する情報を設定します。「JDBC URL」には、接続先のデータベースのURLを指定してください。また、「ドライバクラス」には、使用するデータベースドライバのクラス名を指定してください。上記の図の例では、PostgreSQLのTrainingデータベースへ接続するように設定しています。なお、使用するドライバ(jarファイル)を、JMeterのインストールディレクトリにあるlibディレクトリへコピーしておいてください。

次の「ログイン設定」の項目には、データベースへの接続ユーザに関する情報を設定します。テストで使用する接続ユーザのアカウント名とパスワードを「ユーザー名」と「パスワード」の項目に入力してください。

次の「データベースのコネクションプール」の項目には、データベース接続のプーリングに関する情報を設定します。「プール内のコネクション数」には、テスト中にプーリングするコネクションの総数を指定します。また、「各コネクションの最大使用数」には、取得したコネクションについて、何回までそのコネクションを使ってSQLクエリーを発行するかを指定します。

最後の「SQLクエリー文字列」の項目には、発行するSQL文を指定します。

これらの設定項目を指定することで、データベースに対するテストを行うことができるようになります。なお、テスト結果は、これまでの章で見てきた『HTTPリクエスト』と同じく、『リスナー』や『アサーション』で確認することができます。

7.3. JDBCリクエストで利用する設定エレメント

データベースに対して複数のリクエストを行う場合、『スレッドグループ』に『JDBCリクエスト』を複数個追加することになります。もし、これら複数の『JDBCリクエスト』が同一のデータベースに対するものである場合、各『JDBCリクエスト』についてすべての設定項目を記述するのは面倒です。このような場合のために、JMeterでは、いくつかの便利な設定エレメントを用意しています。

そのひとつが『JDBCデータベースログイン初期値設定』です。これは、『JDBCリクエスト』のうち、「データベース URL と JDBC ドライバ」に関する項目と「ログイン設定」に関する項目との初期値を設定するものです。設定画面は以下の図のように、『JDBCリクエスト』の一部を取り出したような画面になっています。『JDBCデータベースログイン初期値設定』の各項目に値を設定しておけば、その影響範囲内の『JDBCリクエスト』について、これらの項目に値を入力する必要はありません。

JDBCデータベースログイン初期値設定

それ以外に有用な設定エレメントとして、『JDBCデータベースコネクションプール初期値設定』があります。これは、『JDBCリクエスト』のデータベースコネクションプールに関する項目の初期値を設定できるものです。

JDBCデータベースコネクションプール初期値設定

これらの設定エレメントを追加する方法は、その他の設定エレメントと同じです。追加したい場所を選択し、右クリックするか編集メニューから 追加 → 設定エレメント と選択していき、追加したい設定エレメント(『JDBCデータベースログイン初期値設定』か『JDBCデータベースコネクションプール初期値設定』)を選ぶことで追加できます。同一のデータベースに対してテストを行う際は、これらの設定エレメントを積極的に利用しましょう。

実習課題

Trainingデータベースのproductテーブルから、すべてのレコードを取り出すSQLリクエストと、1行だけ取り出すSQLリクエストの2つを、5秒間で各々100回ずつ発行する『テスト計画』を作成しなさい。また、その結果を『統計レポート』リスナーで確認しなさい。なお、この際、『JDBCデータベースログイン初期値設定』を必ず使用すること。

解答例はこちら

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