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1.3. TCP/IPにおける階層化

TCP/IPの通信ではプロトコルを4つの階層に分類します。

  • アプリケーション層—ファイル転送やメール送信など、ネットワーク上で利用できるサービスに関する取り決めを定義しています。
  • トランスポート層 —アプリケーション層とネットワーク層を仲介します。データを利用するアプリケーションを識別したり、アプリケーション間で信頼のある通信を行う手助けをします。
  • ネットワーク層—ネットワーク上のホストを識別し、目的のホストにデータを届けます。
  • ネットワークインタフェース層—隣接して接続されている装置間のデータ転送方法を定義します。コネクタの形状や電気や光信号などの方式等も定義します。

これらのうち、TCP/IPプロトコルスイートではネットワーク層以上の三階層のプロトコルについて定義しています。

1.4. IP(Internet Protocol)

IPはネットワーク層のプロトコルです。郵便の例では郵便局の役割に相当します。IPアドレスによってネットワーク上のホストを識別し、データを目的のIPアドレスを持った端末に送信します。データは「パケット」と呼ばれる単位で送受信されます。

現在主に利用されているIPはバージョン4の規格のものです。近年ではIPアドレスの不足などの問題が発生しており、新しいIPとしてバージョン6の規格が提案されています。これらを区別するときはIPv4とIPv6というように表記されます。現在の段階ではまだIPv6はほとんど普及していないため、通常IPといえばIPv4のことを指しています。本書でも主にIPv4について取り扱います。

IPアドレスはインターネット上でホストを識別するための番号です。IPv4におけるIPアドレスは、32ビットの長さを持っており、8ビットずつに区切って10進数で表記します。それぞれの数字は8ピットですので、0〜255の数字をとることができます。

IPの図

IPアドレスはネットワークアドレス部とホストアドレス部に分けられます。インターネットは複数の小さなネットワークが相互に接続されたネットワークです。ネットワークアドレスはホストがどのネットワークに属しているかを識別し、ホストアドレスはそのネットワーク内でのホストを識別するための番号です。ネットワークアドレス部の長さはネットワークの大きさに応じて設定されます。

IPの図2

なお、それぞれのネットワーク間の接続には「ルータ」と呼ばれる装置が用いられます。IPルータは、IPアドレスによってパケットを目的のホストに届けるために適切な経路を判断します。インターネットは、IPルータによって世界に広がるネットワークを接続したものであると見ることができます。ルータは通常2つ以上のネットワークに接続されているため、それぞれのネットワークに接続されたインタフェースごとに別のIPアドレスを持っています。

IPアドレスは、その数字の範囲によっていくつかのクラスに分けられます。

  • クラスA 0.0.0.0〜127.255.255.255
  • クラスB 128.0.0.0〜191.255.255.255
  • クラスC  192.0.0.0〜223.255.255.255
  • クラスD  224.0.0.0〜239.255.255.255
  • クラスE  240.0.0.0〜255.255.255.255

クラスAからクラスCまでは通常のホストに割り当てられるアドレスです。クラスによって既定のネットワークアドレス長が異なりますが、運用上はクラスによらず任意のネットワークアドレス長でネットワークを扱うことができるため、一般の利用者がこれらのクラスの違いを意識することはありません。クラスDはマルチキャストアドレスというアドレスで、複数のホストに同時にデータを送信したいときに利用する特別なアドレスです。通常のホストのアドレスとしてクラスDのアドレスが割り当てられることはありません。クラスEは将来の拡張のために予約されているアドレスで、現在はまったく使用されていません。

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