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1.XMLの誕生

インターネット技術を利用した企業の業務プロセスの改革が急速に進む中、特に電子商取引の基盤技術として、XMLが注目されています。以降、XMLについて解説するにあたり、本章では導入として、XMLとは何か、その誕生の背景に着目して記述します。

1.1 SGML

異なる環境のコンピュータがネットワークで接続される中、SGML (Standard Generalized Markup Language) はスムーズな電子文書の交換を目的にして開発されました。SGMLは2つの大きな特徴をもちます。

 ひとつめの特徴は、SGMLが「言語を作る言語」、メタ言語と呼ばれるものであることです。コンピュータ間で電子文書の交換を行う際、各コンピュータに共通の言語のフォーマットを規定する必要があります。その一方、文書交換を行う目的はユーザにより異なるため、フォーマットが固定していると電子文書交換の用途が制限されてしまいます。SGMLは、「文書交換のフォーマットを作成する言語」なのです。SGMLそのものは、言語ではありません。SGMLにより、ユーザの環境に合わせた”フォーマット”を作成することができます。作成した”フォーマット”を通信するユーザ間で共有することにより、ユーザのコンピュータ環境(H/W、S/W)に依存せずに、電子文書の交換が行えるのです。

二つ目の特徴は、SGMLはマークアップ言語であるということです。マークアップ言語とは、テキストファイルの中に内容と同時に特定の記号を利用して付加情報を記述したものになります。例えば以下のような、プレーンなテキストファイルがあったとします。

 桜がとてもきれいです。

「とても」の文字列部分だけ太字で表示するという機能をマークアップすると、以下のようになります。

桜が<STRONG>とても</STRONG>きれいです。

マークアップ言語を利用した文書の特徴は、データはあくまでテキストであり、通常のテキストエディタで操作することはもちろん、UNIX環境などで多数開発されている、さまざまなテキスト変換ソフトウェアなどを利用して操作できることです。

HTMLはSGMLにより作成された、代表的な言語です。

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